気管切開について

★雷ちゃんの気管切開★
 雷ちゃんは今年(2005年)の3月に気管切開をしました。雷は未熟児だった為、無呼吸になりやすいと言う事を
聞いていたので、当初私達は後々雷が気管切開をする事になろうとは考えてもいませんでした。
NICU(未熟児センター)を退院して次の病院に移った時、誤嚥したり、原因不明に呼吸を止めたり、中枢性の睡眠
時無呼吸症が認められたりしました。しかしこの時の症状は軽く、無呼吸を起こしてもだいたいはすぐに自力で
回復できる程度だったので医師から酸素吸入とアンビュの使い方を教わり、それで何とか防ぐ事ができました。
しかしその後、徐々に中枢性の無呼吸状態が悪化していき、誤嚥等もあった為挿管したりもして、呼吸器を装着
する機会が増えていきました。なので医師からはその都度何度も気管切開を勧められていましたが、一生自力
での呼吸が難しくなる可能性と、声を失うと言うデメリットがあった為、私達は雷が自力で何とか回復していける
うちは、気管切開をして呼吸器をとり付ける事を断固反対していました。しかし、それからも益々呼吸状態は悪化
に進み、生命への危険性も考えられる様になってきたので、やむなく気管切開をすると言う選択を強いられてしま
いました。ですが、この時もなお私達は、雷がまだ何とか自力で回復していけるのではないかと言う可能性を捨て
きれず、すぐに決断してあげる事ができませんでした。毎日気管切開について医師や看護師さん達に質問し、そ
れがどういうものなのか、本当に雷の為になる事なのか説明を受けました。何度も何度も同じ質問をして、おか
しいんじゃないかと思われたかもしれませんが、それでも周りの医師や看護師さん達は、その都度きちんと話を
聞いて下さり、私達の意見も理解してくれ、その中でわかりやすく説明をしてくださいました。<<↓につづく>>

★つづき★
 そして、そういった信頼の持てる人達が周りにいてくれたおかげで、ついに気管切開をしようと決める事ができました。この気管切開
については、他の小児外科のある病院で行いました。ここの主治医からも説明を受け、手術をしてもらいました。気管切開のオペ自
体は比較的簡単なもので、オペ室に入ってから終わるまでに1時間もかかりませんでした。雷はプクプクとした体系なので、首の部
分が顔のお肉で隠れている状態だったので、大丈夫だろうかと心配もしましたが、そこは専門の主治医達がなんなく解決してくれまし
た。術後の経過は、傷も小さかった為、あっと言う間に回復していきました。喉のチューブから出てくるタンの量は初めの頃はかなり
多めでしたが、回復と共に徐々にその量も減っていき、体調の良い時は約1時間に1回ペースの吸引で落ち着くまでになりました。
気管切開をする以前は、睡眠時の無呼吸や誤嚥等でよくチアノーゼが出たりして、日頃の顔色もあまり良くありませんでしたが、
気管切開後は、呼吸がしんどくなった時に呼吸器で補助してやれるので、顔色は見違える様に良くなりました。また雷は不思議
な事に、気管切開後も呼吸器を着けていない状態でも発声があり、医師達に驚かれました。それに体調の良い時は、呼吸機をつ
けなくても、今まで通り自力で呼吸ができる為、普段は人工鼻と呼ばれる、鼻の代わりをするフィルターの様なものをチューブ
に被せて生活しています。気管切開をするまでに散々悩み苦しみましたが、実際にそれをしてみて、雷は呼吸状態がとても楽に
なった事が見るからにわかりましたし、私達の日々の心配事も1つなくなって、良い結果が得られたと思います。もっと早目に
してあげれば良かったのではないかと思ったりもしましたが、言葉の喋れない雷に代わって親である私達がしっかり考えてから
実行できた事に後悔はしていません。そして、困っている私達ごと救って下さった先生方や看護師さん達に深く感謝します。
もしもあの時信頼のできる人達が周りにいなかったら、私達は今頃ここにいなかったかもしれません。ただ治療や看護に専念する
だけでなく、思いやりを持って接して下さった先生や看護師さん達をとても誇りに思っています。  I respect it…★

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