プロフィールNo.3

この病院での最初の主治医は若い女の先生でした。

雷ちゃんのしんどい部分を1つでもなくしてあげたいねと、さまざまな方法を考えて下さって、

その気持ちが通じたのかいつの間にか変な色の胃液も出なくなりました。

短期間の入院予定が少し延期にはなりましたが、

今度は安心して退院する事ができました。

家に帰るとお兄ちゃんが”らいせいらいせい”と言って喜んでくれました。

いとこにあたる子供たちも、久しぶりの再会に出迎えてくれました。

みんな雷ちゃんをつつきまわして雷は少し怒り気味でしたが、

最高に楽しかったです。

子供達もみんなで雷を抱っこしたり、引きずったり、アンパンチしたり、

とろみのある離乳食も少し食べれるようになっていたので、

私が作ると雷に食べさせてくれたりしました。

おやつのアイスや飴も雷にあげると言って、少し食べさせていました。

固形のビスケットやチョコレートも口に入れようとしていましたが、

それは食べれないんだよと言って教えました。

ある時お兄ちゃんが雷の目をクリクリしようとしていて驚きました。

よくお人形にしていたから、雷も人形と間違えられていたのかな!?

でもとにかくみんな本当に雷のこと何でも知りたがって、質問攻めで、

でもわかりやすく教えようと思って大変でした。

何で鼻にチューブ入れてるの?

チューブはどこに入ってるの?

口からご飯たべれないの?

目は見えないの?

何で怒りばっかりするの?

雷ちゃんは歩けないの?

etc…。

どの質問にも「雷ちゃんは難しい病気があるからね」と言う言葉を付けて

なんとか説明しました。

子供達も最初は理解不十分といった感じでしたが、

日をおうごとに雷の事を理解していきました。

そして、いつも応援してくれて、守ってくれて、

子供が子供を支えている姿は、ちょっと頼りないけどとても立派に思えました。

そして雷の1才の誕生日☆

地元の風習でお餅を背負わせます。

紅白のお餅をついてもらって、雷に乗っけました。

雷は真っ赤になって怒りました。

ケーキに1本ローソクをさして、HAPPY BIRTHDAY〜♪

でもローソクの火はお兄ちゃんに消されちゃったけど、クリームをなめてモグモグしていました。

みんなワイワイ盛り上がって雷はちょっと迷惑そうでしたが、

記念すべき1才の誕生日を家でみんなで迎えられて本当によかったです。

誕生日が終わってまた平和な日々。

そして、外来に受診に行く日が来ました。

採血等で診てもらった結果、またまた肝機能の数値が悪くなっており、即入院になりました。

前日から嘔吐があり、怪しい雲行がしていました。

しかし今回は凄く悪くなる前に早い段階で発見できたので、

肝機能に対する回復も早かったです。

ところが入院中、今度は呼吸状態が悪くなり、また挿管しました。

今回はなかなか挿管チューブを外せそうにないと言う事で、気管切開を勧められました。

しかし、私達はすぐにそれを受け入れる事ができませんでした。

他の病院でも前々から勧められてはいましたが、

雷が自力でなんとか回復していけるうちは気管切開はしないと言うのが

私達の意見でした。

私達が考え悩んでいるうちに、今回もなんとか回復していきました。

呼吸状態が一時落ち着いて、次に、

前々からあった逆流の様な症状を検査してもらう為、

小児外科のある他の病院へ転院しました。

ここでは、胃から腸にかけての通りを診てもらう為

墨汁の様な黒い墨を胃のチューブから注入して、何日後に便として出てくるかをためしました。

それと、胃にもう1本チューブを通してモニタリングをしてもらいました。

墨を入れた当日、胃のチューブをクランプしていたので

口から墨を大量に吐いてしまいました。

その後、2日くらいして黒い便が出てきました。

モニタリングの結果では、胃食道逆流が認められました。

検査を終えて、また地元の病院に戻りました。

戻ってからも呼吸状態は良くなったり悪くなったりで、

睡眠時無呼吸症が悪化しているようでした。

何度も挿管して辛そうな雷を見ていると、だんだん気管切開についての私達の考えも変わってきました。

声が出なくなる等のデメリットはありますが、

それでも先生や看護師さん達が私達に勧めるということは

雷にとって良い事だからなんじゃないかと思えるようになりました。

そして、残念な事にずっと診て下さっていた主治医が他の病院に移動になってしまいました。

次はどの先生なんだろう?

大丈夫かなぁ?

と、待ち構えていたら、またまた若い女の先生が主治医としてやって来ました。

でも、この先生にもたまにお世話になっていて、雷の事を診て下さっていたので安心しました。

新しい主治医とも毎日いろいろと話し合って、ついに気管切開をしようと決断しました。

気管切開の手術は、前回検査をしてもらった小児外科で行なう事になりました。

転院してまず小児外科の主治医となるDrと話をし、説明等を受けました。

この主治医はなんでもはっきりと言ってくれるDrで、

私達の意見もちゃんと聞いてくださいました。

だから、この先生になら雷をまかせてもいいなと思いました。

転院した当日気管切開のオペをしました。

オペはスムーズに終わり、雷は部屋に帰って来ました。

しかし、喉からタンが頻回に出てくるので、小児外科を退院するまでの1週間

集中治療室でお世話になりました。

1週間後、無事地元の病院に戻り、気管切開の傷はあっと言う間に落ち着きました。

そして、呼吸面も落ち着き、顔色がとても良くなりました。

そして次は、逆流していると言う事で、胃ろうの手術をすることになりました。

逆流により、嘔吐物が気管に入るのを防ぐ為、

胃を縛って、腸への通り道を広め、胃とお腹に穴を開けてチューブを通すと言うものでした。

なのでまた小児外科のある病院へ転院です。

今回は開腹手術になるので、前にも増して心配しました。

しかしオペは順調に終わり、傷口もきれいにふさがってきていました。

地元の病院に戻り、後はお腹の通りが良くなれば大成功と言うところでしたが、

なかなかうまくいきません。

検査等もしてもらいましたが、地元の機械では難しいので、また小児外科に移る事になりました。

転院してお腹を診てもらったところ、十二指腸あたりが肥大して

胃が癒着してふさがった状態になっていたので、

再手術になりました。

今度こそ大成功で帰りたい!!

先生たちを信頼してオペをお願いしました。

そして今回も手術は順調に終わり、退院予定の日に近づいた頃、

お腹の傷口が少し開いてきてしまいました。

2回同じところを開いたのでしょうがないけれど、このまま帰るのは怖いと言う私の意見を聞いて下さって、

ある程度傷が落ち着くまで退院を延期する事になりました。

その後も毎日回診があるので先生たちに診てもらって、

もう大丈夫と言う事で退院する事にしました。

今回はオナラもプリプリ出て絶好調です!!

もう一人の若い主治医や看護師さん達にもいろいろ苦労かけましたが、

よく診て下さって感謝してます。

雷は若い主治医につつきまわされて怒ってたけど(笑)。

そして今現在はまだ地元の病院に滞在中です。

ここの主治医も雷ちゃんをつつきまわして、よく雷に怒られています(笑)。

先生も忙しいのに1日に5回以上は部屋に訪れて雷の事を診てくれます。

看護師さん達もとっても明るくてにぎやかで、平和な日々を送っています。

先生も看護師さんも家族も友人も

みんなが雷を支えてくれるから私達は今安心して過ごせています。

雷も言葉では表現できませんが、きっとみんなの気持ちは伝わっているはずです。

まだまだ雷には問題がありますが、

家に帰ると言う目標に向かってこれからも突き進むぞ〜!!

前向き前向き☆

と言う事で、雷のプロフィールがだんだん母の日記の様になってきましたが、

この約2年の間にこんな文章では書きつくせないほどたくさんの出来事がありました。

雷に教わったたくさんの事、大事にしていこうと思います。

そしてこれからも、雷星や他の病気と闘っている子供達にとって

明るい未来を期待しています。

1日も早く良い治療法が見つかりますように…☆

 

END

 

 

 

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