プロフィールNo.2

それでは雷ちゃんについての詳しいプロフィールをご紹介します。

まず、雷がお腹にいた時のことです。

雷には1つ上のお兄ちゃんがいます。

お兄ちゃんが生まれて数ヵ月後、雷をさずかって、産婦人科へ通いました。

妊娠3ヶ月あたりまでとても順調に育っていました。

しかしそれ以後から、頭も体も少し小さめだと言われ始めました。

ですが、お兄ちゃんも頭は小さめでしたし、雷も小さいながらも育っているので

特に気にはしていませんでした。

妊娠28週目のある日、私は陣痛のような腰の痛みがして、朝方産婦人科へ受診に行きました。

切迫早産しかけていました。

そして即入院。

驚きましたが、とにかく無事で良かったのと、点滴で抑えられると言う事だったので

しばらく入院と言う事でその日は終わりました。

それから毎日点滴。

私は注射苦手なんだな〜。ひたすら我慢の日々。

妊娠29週目に入り、ますます雷の成長が悪くなってきました。

29週から30週にかけて何度もお腹をエコーで診てもらいました。

30週目に入り、ついに雷の頭に異常が見つかりました。

信じられない気持ちでした。

そしてすぐに大学病院に転院して、また点滴と検査の日々。

雷の病名もわかりました。

「ダンディー・ウォーカー症候群」

聞いたこともない病名。

しかし、知的障害等はあるかもしれないが学校に通っている子もいるからと医師に励まされ、

不安だらけでしたが、出産の日まで前向きに過ごしました。

雷の成長もほぼストップし、未熟児にはなるが早めに出産しようと言う事で、

妊娠34週目に陣痛を起こして、朝方無事出産しました。

帝王切開になるかもと言われていましたが、お兄ちゃんも帝王切開で生まれてきたので、

2人目もお腹を切ったら3人目の出産ができなくなると言う事で主治医が配慮して下さり、

雷は普通に分娩する事ができました。

12月16日、1,549cの男の子。

その名も雷星(ライセイ)。

雷の様に強く育っていきますように。

そして、星の様にたくさんの仲間に囲まれて明るく光っていられます様に。

私達の願いを込めて名付けました。

雷はか細い泣き声を少し出して、すぐにNICU未熟児センターへ連れて行かれました。

とにかく無事に生まれてくれて、ホッとして、処置後私は眠りにつきました。

その日の午後、さっそく雷に会いに行きました。

ケースに入った雷は、とても細くて小さくてぐったりしていました。

チューブが入っていたり、サチュレーションモニターが付いていたりして、とても痛々しかった…。

だけど、髪の毛はフサフサでモミアゲまであって、

普通に40週までお腹にいたらスーパーヘビー級ロン毛だったんじゃないかと思ったら、

なんか笑えてきました。

さすがうちの子!!髪の毛だけには一生困らないぞっ。

それから毎日NICUに行って、雷を眺めたり触れさせてもらったりしました。

お兄ちゃんの時とはまた違ったスタイルですが、やっぱり赤ちゃんはかわいいなぁ〜。

5日後、私は先に退院になり、雷を残して家に帰る事になりました。

家で待っているお兄ちゃんとまた一緒にいられると思うと、とても嬉しく思いましたが、

でも、今度は逆に離ればなれになった雷の事が気になって気になって。

家から病院まで少し距離があるので、

会いに行けるのは主に日曜や祭日だけ。

でも、その間担当の看護士さんが交換日記をしてくれたり、写真を撮ってくれたりして、

いろいろ教えて下さって、少し不安がやわらぎました。

そうこうしながら退院の日を待ち望んでいましたが、

2ヶ月、3ヶ月経ってもまだ退院の見込みがつきません。

私の不安もピークに達していました。

そしてその頃雷がたまに痙攣(ケイレン)のような動きをすると言う事で、

小児神経科のある他の病院へ外出して出かける事になりました。

始めての外出!!それも車で。ヤッホ〜。

しかし、病院に着いて受診して、帰る頃にはがっくり。

MRIの結果の説明を聞き、またまたショックを受けたのでした。

NICUに帰った雷は41度まで熱が上がり、氷枕で冷やしてもらいました。

MRIの結果は、雷の脳はダンディー・ウォーカー症候群に伴う水頭症により水で埋め尽くされ、

ほとんど残っていないと言う事でした。

痙攣様の動きも”てんかん”だと言う事でした。

それからマイソリン(現在プリミドン)と言う薬をチューブから注入し始めました。

薬のせいかどうかはよくわかりませんが、その頃から肌荒れも酷くなり、

特に顔はよく赤く荒れていました。

NICUでの生活も4ヶ月を過ぎた頃、ついに退院の話が出てきました。

喜びもつかの間、退院と同時に転院になるとの事で、ちょっと期待外れでしたが、

まぁ一歩前進、かな!?

次は前回外来に行った小児神経科のある大学病院に入院が決まり、

今度は私も付き添って看ていく事になりました。

小児科病棟の大部屋。

みんなと仲良くやっていけるかなぁ。

心配しながら自己紹介したら、雷ちゃんの珍しい名前等で盛り上がって、

いつの間にか溶け込んでいました。

ここの小児科はみんな重い病気の子ばかり。

雷は主にてんかん発作についての検査入院で、抗痙攣薬の調整や、脳波の検査をしてもらったり、

採血やMRIも撮ってもらいました。

その過程で、また幾つかの病気がわかりました。

点頭てんかん(ウエスト症候群)、視神経萎縮、滑脳症、脳梁欠損、睡眠時無呼吸等、

全く知識のない私はわけもわからず、ただただ話を聞いていました。

主治医に、私の神経や目をあげても治らないのかと、

今思えばアホな質問をしていました。

答えは、それをしても無駄だと言う事でした。

前向きな私ですが、さすがにとてもショックで涙が出てきました。

くやしくてくやしくてたまらない気持ちでした。

それからしばらく考え悩むダークな日々でしたが、

家族や友人、他の仲良くなったお母さんや子供達と話をしていくうちに、

また前向きな私に戻っていきました。

みんなそれぞれ病気と闘っていて、どのお母さん達も明るくて前向きで、

雷と私も負けていられないと思い、気持ちを切り替えていくことができました。

ショックな事実を知らされた反面、

ここでの生活は、私と雷に勇気と希望を与えてくれた

とても重要なスタートラインでした。

雷は最初の頃、シリーズ系の発作を1日に何十回も繰り返していました。

幾つもの薬を試し、検査も幾度となくして、

数ヵ月後には発作はかなり減っていました。

雷は原因不明の事が多すぎて、完璧に発作を止めることは難しいですが、

若手のDrである主治医が、いろいろ考えて下さって、

ここまでになったと思います。感謝!!

そして雷もほんとによく頑張った。

検査検査の毎日に、小さい体で乗り越えました。

ある程度発作が抑えられた夏の日、ついに退院になりました。

今度は家に帰れると言う事で、最高に喜びました。

退院して家に帰って、年子の兄弟にてこずらされましたが、

嬉しい気持ちの方が勝っていたので、疲れも忘れるほどでした。

しかし、また1週間経たないうちに再入院。

ぐったりした雷は家から救急車で地元の病院に運ばれ、検査の結果、肝機能が最悪に悪い状態になっていましした。

翌日大学病院に舞い戻る事になりましたが、転院されるまで、

地元病院の小児神経の先生達が夜中も部屋に来て診てくださいました。

あの時の処置のおかげで雷は救われたのかもと思うと、感謝の気持ちでいっぱいです。

次の日、転院してHCUと言う集中治療室に入りました。

相変わらずぐったりしている雷を見ると、またショックでした。

しかし、雷の体に合う薬が見つかり、足にIVHを入れ、血小板の輸血もしたかいがあって、

あっという間に回復していきました。

そして不思議な事に、この出来事を境にてんかんの発作がほとんどなくなりました。

そしてまた小児科病棟の大部屋に移りました。

完璧に回復したところで今度こそ退院して、家での生活に期待していました。

退院して約2週間後、また再入院。

今度は吐いたミルクを誤嚥して、肺炎をおこしました。

喉から挿管して呼吸器を付けました。

雷の姿を見て、言葉も出ずまた泣かされました。

一度呼吸器を付けると二度と手放せなくなるかもと言う医師の説明にもショックを受けました。

しかし、またこれも乗り越えて、呼吸器を外して地元の病院に帰る事ができました。

ですが今度は1日に200ミリリットル前後、胃から出てくる

黄色や緑や褐色の液体が止まらず、

これが何なのかもわからないし、何故出るのかもわからず、

また原因不明の出来事に悩まされました。

でも、それが良くなる見込みさえもわからなかったので、

家に連れて帰って看ていく事にしました。

だけどやっぱり毎日不安でどうしようと思っていた時に、前回お世話になったDrが連絡をくださり、

また検査入院と言うかたちで地元で家から一番近い病院へ入院することになりました。

前者の病院でもよく診ていただいたのですが、家からは離れた場所にあったし、

また救急車で運ばれる事があった場合に、他のなるべく近くの病院にも受け入れてもらえる様

この病院に転院する事になりました。

雷は難しい子だから、すぐに受け入れてもらえるかどうか不安でしたが、

ここの小児科医長であるDrに話を聞いていただいたところ快く受け入れて下さって、

とてもホッとした事を覚えています。

雷ちゃんの事をみんなに知ってもらって、顔を覚えてもらって、

これから看ていける様にしましょうねと言って下さり、

張り詰めていた気持ちが楽になりました。

 

次のページへつつ゛く

 

 

1つ戻る★    ホームへ    次へ★

inserted by FC2 system